演劇

舞台「疫病流行期」が終了しました

     

どうも、りんです。
6月もいつの間にか後半に差し掛かりましたね。梅雨はしぶとく残っていて夏の入道雲はまだ見られないようですが、暑さはもう本番になってます。私若干夏バテ気味です(笑)

「疫病流行期」終了しました


さて、6月13日から17日までの4日間で公演していました吉野翼企画「疫病流行記」が無事終演しました。私は高校1年生から演劇を始めたので今年でなんと12年目になるのですが、この舞台は私の演劇人生において大きなキャリアの一つになったのかなと感じております。

今まで小劇場舞台と呼ばれる舞台は中々参加できずにいたのですが、今回は絵空箱の吉野翼さんから直々にオファーをいただきまして、少々悩んだのですが参加することを決意しました。オファーをいただいたのは今年の1月でした。一人芝居「機械」の真っ最中でしたね(笑)。

絵空箱とは江戸川橋にあるレンタルスペース&カフェの名前で、吉野さんはその小屋主さんです。劇団しおむすび時代に、私はそこで5回ぐらい立たせてもらっています。吉野さんはもともと演劇人で、もうすごい数の舞台演劇を見ている方なのですが、2012年にしおむすびで絵空箱にて公演しました「トランス」(作:鴻上尚史)という作品の私の演技を未だに覚えてくださっており、そのご縁でオファーをいただきました。

役者として、こんな光栄なことはありません。仕事の兼ね合いとか色々あったのですが、なんとかして期待にこたえたいと思いオファーをお受けしました。

稽古が始まったのは5月の中旬から。稽古は短期間で、他の役者陣は私よりも当然年上でキャリアを積んだ優秀な役者さんがラインナップされていました。年齢で言うと、私は男性キャスト陣の中では最年少。女性ひっくるめても2番目に若いというポジション。必然的に後輩になります。

この事実がどれだけ私を「こりゃあやべえぞ」ってさせたことか(笑)。
本当にね、いわゆる「後輩ポジ」というやつが苦手でしょうがないんですよ(笑)

正直に話しますと、私はHSPという気質も相まって、マウントを取りたがりな年長者に対してはアレルギーレベルで距離を置きます。私は簡単にマウントを取られるので、いつの間にか損をするなんてことを結構経験してきました。なので、基本的に年長者に対して、最初は警戒心から入ります。大丈夫になったらめっちゃ甘えるんですけどね。

因みに私が今までどんな環境にどっぷりいたかと言うと、劇団しおむすびは年下だらけで、当時の主宰の忍翔(おしょう)の下で働く私という実質No.2ポジションにいました。もう一つは職場で、こちらは社長が1人で働いていた時代に私がアルバイトで入社したので初めての社員になります。それから後に入ってくる方も年上の方が多かったのですが、私が先輩になるので「吉田さん」と呼ばれることが多かったです。しかも頑張った結果割と中心的なポジになることが多くなり、こちらもNo.2になっていきました。
というわけで、自分がマウントを取れるポジションにいたわけです。
…あれ?
あれっ、やべぇ、こうして書いて振り返ってみると…年上からしたらかなりめんどくさいガキだな、俺(笑)

だがしかし!結果的に言えば、キャスト陣皆さん本当に優しくて、割と大団円で終わりました(笑)
いや、ほんとに頭が上がらねえ。

アングラ演劇


※撮影:伊藤青蛙

今回の「疫病流行記」はかの巨匠・寺山修司さんと岸田理生さんの合作です。
いわゆる、アングラ演劇と呼ばれるジャンルになります。
アングラ演劇とは1960年代中期から1970年代にかけて日本で活発に起きた舞台表現(主に演劇)の潮流であり、当時低俗なものとして扱われていた演劇を復権させたものになります。
つまり、凄いんです(笑)

いや、まじで。
世間の評価を覆すほどの時代を築き上げた時代の作品なんてプレッシャーもんですよ。


※撮影:伊藤青蛙

普通の舞台演劇、つまり起承転結の物語がはっきりと描かれている演劇作品を本に例えると小説のようなものであるなら、アングラ演劇は本に例えると詩です。
分かりずらいけれども、その奥には確固たる物語と信念とメッセージがある。すべての世界観はそれらを伝えるためにきちんと計算されているものなのです。

とはいっても、難しいですけどね(笑)
見る方もやる方も。


※撮影:伊藤青蛙
※写っているのは吉田です(笑)

やる側の大変さといったら…まずどういう方向性で役作りすりゃいいか全くわからなかったんですな(笑)
寺山修司という作家にまず向き合わなくてはならい。
稽古期間は全部で3週間ほどしかなかったのですが、最初の10日間はまず世界観をつかむのに使いました。どういう方向性で役を創ればいいのかは悩みました。

演出家の吉野さんは私の疑問に丁寧に答えてもらいました。まずは教えてもらってつかんでから、自分のオリジナリティを出していく。この作業を繰り返しました。
ぶっちゃけ5月に職場を辞めてなければもっとヤバかったと思います(笑)


※撮影:伊藤青蛙
※縛られているのは吉田です(笑)

一番苦労したのは緊縛のシーンです。
今までセリフを使って伝えるシーンばっかりやってきた私にとって、動きだけのシーンは片手で数えるほどしかやってませんでした。しかも縄を使った緊縛。居方が一番わからなかったですね、これは。

しかも私、真正のドMなので、一歩間違えたらシーンにふさわしくない人間になってしまいます。なので、あらゆるところで気を遣わなくてはならないシーンで、実は一番体力を使いました。
縛っていただいたハララビハビコさんには本当にお世話になりました。

そんなこんなでなれないこと尽くしでしたが、結果は…まぁなんとかなったんじゃないでしょうかね。
とにかくもう、全部出したつもりです。一番客観視できないです(笑)

非常にタイトなスケジュールだったことも踏まえて、終わって一週間はほぼ何もできませんでした。割る寸前の風船がいきなりフシューッ!って空気が抜けたような感じ。今、ようやく筆が進んでます(笑)

これを一つの得難い経験として、更に躍進していきたいと思います。

そして、関係者の方々はこの場をお借りして感謝の言葉を。
1か月に満たない期間でしたが、大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。

引き続き、役者の活動は続けていきますが、ちょっと休憩ください(笑)
あ、舞台や映像の出演のオファーもお待ちしています(笑)
タイミングと余力があえばお話を進めさせていただきます。

それでは、お疲れ様でした!!