どうも、りんです。
少し余裕ができてきたので、ちょっと趣向的な記事を書こうかなと思います。
題して「漫画感想シリーズ」。りんこと吉田光が今まで読んできた漫画を紹介しまくる、単純明快な記事です。
というわけで第一作目は最近滅茶苦茶話題になってる「鬼滅の刃」についてです。
「鬼滅の刃」とは
※引用:『鬼滅の刃』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト
https://www.shonenjump.com/j/rensai/kimetsu.html
現在、少年ジャンプで連載している少年漫画です。
現時点で現刊行は17巻。作者は吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)先生です。
大正時代を舞台としており、ダークファンタジーをジャンルとする中でも独特な和のテイスト、更に独特な絵柄と雰囲気で人気を博し、Type-Moonの那須きのこも連載当初から絶賛する漫画です。
ついこの間までアニメが放送されていて、それがきっかけで爆発的に人気を博しています。
ヴィジュアルが非常に美しいことで有名なufotableが制作しており、音楽も梶原由紀氏が手掛け、OP/EDもLiSAが担当するなど、気合の入れ方が違う作品です。
ぶっちゃけジャンプ漫画アニメでこんなにガッツリな体制を組むとはちょっとびっくり。
因みにどれぐらい人気かというと、アニメで描かれたのが大体1巻から6巻までなんですが、7巻以降の単行本が書店から消えています。
※私の近所の本屋。こんな状況は今全然珍しくない
ストーリー
血風剣戟冒険譚、開幕。
舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!
※引用:『鬼滅の刃』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト
https://www.shonenjump.com/j/rensai/kimetsu.html
という感じです。
ある日突然家族を鬼に皆殺しにされ、唯一生き残った妹も鬼されてしまった少年・竈門炭治郎(かまどたんじろう)は、妹を人間に戻すべく奔走する話です。
この「鬼」というのが何かというと、特徴で言うとほとんど吸血鬼に近い特徴を持っています。
・外傷では基本的に死なず、再生してしまう
・鬼になると人を食す衝動に駆られ、それ以外のものを食べられなくなる
・人を多く食べるほどに力が強大になってくる
・太陽の日差しを浴びると死ぬ
という感じです。吸血鬼と違う点が、「人を鬼に帰られる鬼は一人しかいない」という点です。
このただ一人の鬼というのが鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)という鬼であり、禰豆子を鬼に変えた張本人です。なので彼を殺すことが炭治郎の目的になります。
炭治郎は妹を鬼に帰られた後、修行をして鬼を殺す「鬼殺隊」という組織に入ります。
鬼殺隊は基本陽光以外殺せない鬼を殺すために、特別な鉄で作られた「日輪刀」という刀を所持しています。この刀で鬼の首を絶つと、鬼を殺せます。
要は日本が舞台で特別な日本刀以外に殺せないヴァンパイアを殺すヴァンパイアハンターの物語です(厳密にはヴァンパイアではないんですけども)。
前述した「ダークファンタジーをジャンルとする中でも独特な和のテイスト」というのがここに現れるわけです。
出し惜しみをしない展開で目が離せない
私が思う、この漫画のすごいところというのが、「とにかく目が離せない」という点です。
アニメ放映中に私は近所の漫画喫茶でこの漫画を読んでいたのですが、まぁもうとにかく読む手が止まらないこと止まらないこと。
これでもそれなりの数の少年漫画を読んできましたが、ここまで先の展開が読めない漫画もそう少ないなと思います。
なぜ展開が読めないかというと、この漫画、滅茶苦茶展開が早いのです。
現在17巻出ていると前述しましたが、なんともう最終局面なんです(たぶん)。17巻にしてラスボスである鬼舞辻の根城に乗り込みます。ダイの大冒険でいうバーンパレスに乗り込んでいる状況なのです。
なんでこんなに展開が早いかというと、決着が着くからです。
少年漫画だと、強敵と闘うと一度敗北し修行して再戦し勝利するという流れが王道として存在します。つまり生死を分けた戦いという基準で考えると、敵味方どちらも死んでいない「引き分け」の戦いが割と多くあります。
それは、物語が進んでいくと今まで敵だったのが味方になっていくという、これまた王道な展開があるからです。キャラクターはむやみに殺さないのです。
ですが、鬼滅の刃では人と鬼が闘うと、必ずと言っていいほどどちらかが死にます。
これに関する例外は鬼に変えられてしまった炭治郎の妹・禰豆子だけです。第一話に、炭治郎と禰豆子は鬼殺隊の冨岡義勇という男と相対することになるのですが、冨岡は彼ら兄妹を見逃します。
…本当にこれが唯一なんじゃないかな。作中で人vs鬼でどちらも死んでないの。
そして、鬼が仲間になるという展開は基本的にありません。禰豆子以外にも味方となる鬼はいるのですが、2体しかいません。
ほぼ必ずと言っていいほど決着が着く戦いが描かれていく。
そうなるとその度に物語が動いていきます。
少年漫画に慣れている人からすれば、「えっ、ここで倒しちゃうの?」という感じの展開が続くので、慣れている物語の進行スピードよりも速い展開に面を食らってしまい、「次どうなるんだ…?」という思いに駆られていきます。
結果的に「読む手が止まらなくなる」のです。
少年ジャンプらしからぬ、出し惜しみをしない展開をしていく漫画なのです。
魅力的なキャラクター達
人気漫画で魅力的ではないキャラクターなんてものはあり得ません。ご多分に漏れず、この漫画に出てくるキャラクター達も魅力的です。てか魅力的な人しかいません。
多分吾峠先生、無駄が嫌いなんだろうな…。
個人的にはむやみにキャラクターを増やそうとしていないあたり好感が持てますね。
人サイド、陣営で言うと鬼殺隊サイドになりますが、炭治郎のように身内を鬼に殺されているというシーンは珍しくありません。てか鬼殺隊にいる主要人物のほとんどが、鬼に身内を殺されています。その復讐心で鬼を殺している隊士も少なくありません。
なので、禰豆子を鬼殺隊の仲間にするという話が出た時、かなりのひと悶着がありました。
なぜ鬼殺隊に身を置いているのか、そのバックボーンがキャラクターのドラマになります。
炭治郎は同時期に入隊した鬼殺隊に入隊した我妻善逸と嘴平伊之助とトリオで活動しており、NARUTOでいう第七班的な感じでスリーマンセルで動いています(禰豆子を含めるとフォーマンセルなんですが)。
この三人トリオの掛け合いが気持ち良いんですよ。三人とも15~16歳ぐらいの少年たちなので、コミカルな動きもできたりシリアスな表情も出来るので動かしやすく、殺伐とした世界観の中でも笑いどころ作れます。可愛いしかっこいいが実現できる年齢層ですね…。先生分かってんなぁ。
これもまた、この作品の人気を支える屋台骨の一つです。
鬼サイドはなぜ鬼になったかというのがキャラクターのバックボーンの肝になります。
鬼になるためには鬼舞辻から血を提供される必要があるのですが、なぜその血を受け入れたのかがドラマになります。鬼舞辻は基本的に無理矢理鬼に変えることはしていません。人の心の弱さや絶望につけこんで鬼に変えています。
それは忠誠心の高い鬼を増やすためです。自分のために粉骨砕身働く手駒を増やすために、回りくどい真似をしているのでしょう。
「え?じゃあ禰豆子は?」と思いの方もいらっしゃることでしょう。正直私も書いてて気になりました。
禰豆子がどういった経緯で鬼になったのか、その詳細はまだ描かれていないのです。炭治郎が家に帰ると既に家族が惨殺されていて、知らん間に禰豆子だけが鬼になっていたので、まだ謎の部分なのです。なので今後に期待。
炭治郎は、鬼が皆元は人間であったことを考え、鬼となったことに苦しみ、行いを悔やんでいる者を踏みつけにするようなことは嫌い、鬼を「虚しく悲しい生き物」と説いています。
事実、鬼には人間であったころに悲しい過去を背負う者も多く存在しており、死に間際に人間であったころを思い出し、懺悔しながら死んでいくといった展開もあります(逆に生前ですら擁護できないクソ外道な鬼もいるのですが)。
ここら辺が作中のシリアスな雰囲気を支える仕掛けですね。
総括して言うと、むやみにキャラクターを増やすことをしていないので、一人一人のキャラクターのドラマを無駄なく丁寧に描いています。
定価以上の転売はやめよ?マジで
さて、この鬼滅の刃、マジモンの人気漫画となっています。
前述したとおり普通に売り切れていて、どの本屋に行ってもまともに置いている本屋は少ないでしょう。
ですがまぁ…悪い奴はいてですね…。メ〇カリとかで高く売ってる輩がいるんですよ。
1~16巻、まとめて13,400円で売ってるなんてことがあります。鬼滅の刃は一冊定価が400円なので、税込み440円。16巻あるとなると7,040円です。もうほぼ倍ですね。
別にメ〇カリなどのフリマサービスで売る分には別にいいんですが、定価以上の値段をつけるのは違うと思います。てか純粋に手に取って読みたい読者を差し置いて、そんな金儲けのために購入するなんて言語道断。
勿論、転売目的で購入する奴がいるから売り切れていると言い張っているわけではありません。純粋に人気だから売れていると思っています。だからこそ、数少ない在庫をそんな目的で購入するのは看過できません。
そして、そんなとこで買っちゃだめですよ?
そんな転売を許しちゃいけません。また本屋に並ぶのを待つか、それとも漫喫に行って読むかの二択ですね(因みにコミックレンタルもほとんど貸し出し中になってます)。
集英社さん、いろんな意味で頼んます。
ちょっとハードルの高いおススメでしたが、間違いなく面白いので是非読んでみてください。
それでは。