吉田の趣味

コンテンツを長続きさせる難しさを覚える~遊戯王編~

     

どうも、りんこと吉田光です。

年末らしい記事では全くないのですが、ふと思い立ったことを記事にしようかと思います。

表題の通りなんですが、最近コンテンツを長続きさせるのはマジで困難なんだなと思います。

遊☆戯☆王


出典:https://animeanime.jp/article/2019/07/22/47055.html

皆さんご存知「遊戯王」。1996年から2004年までの間、週刊少年ジャンプにて連載をしていた少年漫画…というかカードゲーム。

ギネスで「世界で最も販売枚数の多いトレーディングカードゲーム」としてノミネートされているほどに、世界中で爆発的にヒットさせたカードゲームです。

アニメでは1作目として東映アニメーションから1998年の4月から10月までテレビ朝日放映されています。

「えっ、そんな短いの?」とお思いの方。事実を知らないと損をすることもありますぜ。

これを読んでいる方がよく知っている遊戯王アニメは「遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ」でしょう。
こちらはみんな大好きテレビ東京で放映されていた作品で、遊戯の声をジャニーズの風間俊介氏、海場の声を津田健次郎氏が当てています。

因みに東映版では、遊戯はエヴァのシンジ君でおなじみ緒方恵美氏。海場の声はスラダンの流川楓でお馴染みの緑川光氏が当てています。

聞いたことがあるであろう、「ドロー!モンスターカード!」とか「城之内死す」とかは「デュエルモンスターズ」の方のネタですね。

「えっ、じゃあ別作品なの?」と思われるかもしれません…。
いやあ、確かにこれ書いていくとややこしいな…。

というわけで長年遊戯王のファンをやってきた吉田が「遊戯王」という作品とコンテンツについてお話しようと思います。

遊戯王はそもそもカードゲームの漫画ではなかった

これ知ってる人の割合、少なくなってるよな…仕方ないとは思うけども。
そう、まず大前提としてもともと遊戯王はカードゲームの漫画として連載してません

ゲームが大好きでいじめられっ子の武藤遊戯は、今まで誰も完成させることができなかった「千年パズル」(遊戯が首からぶら下げてるのもの)をくみ上げることに成功しました。
するとパズルに閉じ込められていた闇の人格が遊戯に芽生え、いじめをしてきた奴・外道な奴に「闇のゲーム」と称した危険なゲームを仕掛けていきます。この「闇のゲーム」の敗者には廃人に追い込むレベルの強烈な「罰ゲーム」を受けることになります。

この「闇のゲーム」がいわゆるカードゲームなんでしょ?
と思われるかもしれませんが、最初はそうじゃないんです。

例えば、

出典:http://tokeitou.blog.jp/archives/1061144469.html
他には
・札束を手の上に置き、ナイフで突き刺した分だけが自分の取り分となる。
・巨大な時計のような部屋でストップウォッチを使い、10秒に近いタイムで止めた方が勝利となる。

というような形で身近にあるアイテムを使ったアナログゲームを仕掛けていました。
漫画のテイストをわかりやすく言うと、手塚治虫先生の「三つ目がとおる」に近いでしょう。あの赤いコンドルが千年パズルになった感じです。

先ほど遊戯王アニメで「東映版」という言葉を使いましたが、東映版ではこのカードゲームではない「闇のゲーム」が中心に描かれている作品です。

カードゲーム「M&W」の登場

さて、「遊戯王」がなぜいま私たちの周知の事実となっているカードゲームの漫画となったか、気になりますよね。

作中で描かれているカードゲームは作中で「M&W(マジックアンドウィザーズ)」と呼ばれているカードゲームになります。
因みにこの「M&W」は、現実で世界的に人気なカードゲームである「マジック:ザ・ギャザリング」がモチーフとなっています。

遊戯王が「M&W」は単行本の2巻の話で登場します。
遊戯の祖父、双六は作中世界で4枚しか存在しないM&Wのレアカードである「青眼の白龍」のカードを持っていました。そう、聞いたことがあるであろう、あの「ブルーアイズ」です。

それを聞きつけた遊戯の同級生であり、海馬コーポレーションの社長でもある海場瀬人が自分の全カードと引き換えに譲ってくれと懇願するも、双六はそれを拒否しました。
それに怒った海馬は双六から「青眼の白龍」を盗みます。双六の大事にしていたカードが盗まれることに怒った遊戯は、海馬にM&Wで勝負しかけ勝利し、「青眼の白龍」を奪い返します。

ですが後に海馬は残りの3枚の「青眼の白龍」を手に入れ、遊戯に復讐します。双六の持っていた「青眼の白龍」を破り捨て、さらに老骨の双六にひどいことをします。この仕打ちにキレた遊戯は海馬の「DEATH-T(死のテーマパーク)」と呼ばれる危険なゲームを挑んでいく…というのが長編「DEATH-T編」の簡単なあらすじ。

この話でM&Wが人気になります。その人気を受けて1998年にキャラグッズという形でバンダイから販売されたのが「遊戯王カードダス」です。


出典:https://aucfree.com/items/d375330240#
最初はこんな感じ。
実はこのカードのイラストとレイアウトは原作に準拠しています(まぁさすがにキャラクターのカードは作中には出てきませんが)。

この「DEATH-T編」の次の話がM&Wが出てこない話で人気が下がってしまいます。そこで本格的なM&Wの話を再び登場させます。それが「決闘者の王国編」。遊戯を「遊戯ボーイ」で呼ぶことでお馴染みのペガサス・J・クロフォードが登場したお話です。

それ以降、遊戯王はこのM&Wを中心とした漫画として本格的に路線変更をすることとなりました。いわゆる「テコ入れ」ってやつです。

デュエルモンスターズ

そしてみんながよく知っている「遊戯王OCG(オフィシャルカードゲーム)」は1999年にKONAMIから発売されます。

そして2000年にテレビ東京にて、カードゲームを主体とするアニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」(通称DM)として放映されます。このアニメでは「M&W」という名称が「デュエルモンスターズ」という名称に変更され、統一されています。

因みにDMでは第1話で遊戯は海馬とデュエルするところからスタートするという風に、カードゲームのアニメとしてストーリー構成を再編成されています。なので、アニメから入って遊戯王が好きになった人でも、遊戯がアナログゲームで闇のゲームをしかけていった時代を知る人は少ないという状況が生まれています。
なんせ、DMにてアナログゲーム云々の話がないですからね。

それからOCGは遊戯王のキャラグッズという側面も持ちながらカードゲーム単体としても楽しめるコンテンツとして成長を果たし、ギネスまでに載るようになりました。


因みに1999年からスタートしているので、今年2019年でなんと20周年になります。
その記念として新宿駅の地下に、今までカード化されたOCGのカードを全て掲載するという、ファンからはたまらないイベントもやったりしました。

新しい遊戯王アニメ=ルール変更の時期

さて、DMは原作の「遊☆戯☆王」をもとに作られているので、どうしても原作が終了してしまうとDMも終わらざるを得ません。
DMが終了すると、以降はOCGを使ったアニメというのは同じで全く別の主人公で新しいストーリーを展開させる、新しい遊戯王のアニメが作られるようになります。

二作品目が「遊戯王GX」
三作品目が「遊戯王5D’s(ファイブディーズ)」
四作品目が「遊戯王ZEXAL(ゼアル)」
五作品目が「遊戯王ARC-V(アークファイブ)」
六作品目が「遊戯王VRAINS(ブレインズ)」

という感じです。因みに私は「5D’s」が好き。私の高校三年間は5D’sと共にありました。

ですが新しくアニメを展開をすると、同じカードゲームで物語を作るとどうしてもマンネリ化を招いてしまいます。
というわけで三作目の「5D’s」では新しい召喚方法「シンクロ召喚」が登場します。この作品以降、新しくアニメをやるたびに、今までのルールにはなかった新しい召喚方法が作られ、その召喚方法を中心としたアニメが作られるようになります。

要はどういうことかというと、新しいアニメを作るたびに新しいルールを作られ、それに併せて既存のルールを変えたりしているわけです

「じゃあアニメやらなきゃいいじゃん」という意見もありそうですが、前述したとおり遊戯王OCGというのは「漫画(アニメ)作品からカードゲームが生まれた」作品です。多分ですけど、カードゲームコンテンツの中だとかなり珍しい。
なのでどうしても「キャラグッズという側面が拭えない」現状があるのです。

あと、まぁこれも多分ですが、メディアミックスするメリットを重視しているんでしょう。ルールを変えて「遊戯王は新しくなりました!」という風に新しい動きを見せないと廃れていくという現実もあるので、なんとかコンテンツを長続きさせようと尽力している、ように思えます(あくまで一ファンの意見・観方ですが)。

ですがまぁ…しょうがないとはいえ、古参のファンでも大幅なルール変更はキツいと感じる人もいて、引退してしまうなんてこともあります。
何なら旧ルールでカードゲームを楽しむというファンもいます。

さらにルールが増えるたびに、ただでさえ複雑なカードゲーム自体が更に複雑になるという事態になっているため、ますます新しいファンが生まれにくくなっています。なんというジレンマ。

OCGではない新しいカードゲームを作る

そんな状況で2019年12月1日に行われたジャンプフェスタにて、遊戯王ファンを揺るがす大きな発表がありました。

それは7作目となる遊戯王アニメです。

その名も「遊☆戯☆王SEVENS」。

出典:https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/yugioh-sevens/

この作品でなんと、既存のOCGとは別のカードゲーム「ラッシュデュエル」が登場します。

ゴーハ第7小学校に通う王道遊我は、自分の発明を「ロード」と呼び、日々いろんなロードを開発する小学5年生。大人たちが管理するデュエルをキュークツだと感じていた遊我は、誰もが楽しめる新しいルールを完成させていた。

そんなある日、隣のクラスのルークが「デュエルの王」の噂を伝える。興味津々の遊我とルークがたどり着いた先に待っていたのは、いかにも意味ありげな石碑の前に現れた謎の人物……

そしてデュエルの王として認められるためには、限られた時間内にデュエルで勝利しなくてはならない!

「僕の考えたロード、“ラッシュデュエル”ならできる!」

遊我とルーク……2人の少年が、新たなデュエルでキュークツな世界を変える物語が始まる!!
出典:https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/yugioh-sevens/

多分、キュークツなデュエルというのが今までのOCGです。自虐かな?
要はルールが複雑になりすぎて子供向けではなくなったOCGとは違うカードゲームを作った子供が頑張るアニメっぽいですね。

なので対象年齢も子供向け。因みに遊我は初となる小学生の遊戯王主人公です。


ラッシュデュエルではこんな感じでカードのイラストも今までとは一新されます。

まだ情報が出たばかりなのでどうなるかは分かりませんが、多分既存のOCGとは別のカードゲームという立ち位置で「ラッシュデュエル」が展開していくのではないかなと思います(完全に吉田の予想なので、鵜呑みにしないように)。

人気コンテンツも辛いよ

散々遊戯王について語っていきましたが、結論から言うとコンテンツを長続きさせるのは本当に大変だということです。

遊戯王のテコ入れは結果的にOCGを産みだし、ギネスに載るほどの販売数を誇りました。
それだけ見ると華やかなものですが、20年続けるとなるとまぁ大変ですね。既存のルール・カードの種類で20年通すわけにはいかないので。

因みに前述した新宿のイベントではOCGのカードの種類が10000種類を突破したので、10000枚飾られています。
そしてまだ新しいカードが作られています。それほどまでにカードの種類が多く、ルールが複雑化されているのです。

ラッシュデュエルは、狙いである子供たちに受け入れられるコンテンツになるのかどうかは…神のみぞ知る…。
遊戯王ファンとしては、まぁ静観しようかなと思います。

あー語った語った(笑)。それでは。