どうも、りんこと吉田光です。
昨日、オンライン演劇コンテンツ「モノスポ・オンラインステージ」、通称「モノステ」を視聴しました。
「モノスポ」とは私も去年出演した、モノローグ(短時間の一人芝居)を上演する演劇公演ですが、それのオンラインバージョンです。
公式HPはこちら。
最近中々外出ができない、オフラインのイベント開催ができないので、Zoomなどのオンラインツールを用いたオンラインでのイベントがそこかしこで開催されています。
今回はモノステ、というよりオンラインでのお芝居コンテンツについて、私が個人的に思うことを綴ろうと思います。
なのでここにあることはあくまで個人的意見です。
あくまで個人的な意見なので、ご了承くださいね。
オンライン演劇コンテンツ
さてこのZoomを用いたオンライン演劇コンテンツですが、こうなる前から存在はしていました。
ただ今までは積極的にやってきませんでした。
オンラインで舞台演劇をやる、というのは舞台演劇の醍醐味である「ライブならではの臨場感」を殺すとされており、敬遠される傾向にあったのです。
あと、ぶっちゃけオンラインはめんどくさい。
良いカメラ、良いマイク、太いネット回線を用意しなければならず、それらをまとめてエンコーディングできるそこそこスペックの良いPCもないと、やるのはしんどいです。
それとお客さんにはオンラインよりも、舞台に来てほしいという気持ちは、舞台人としてはまぁ思ってしまうことです。
日本でオンライン演劇を採用していたコンテンツといえば、人狼のようなゲーム要素が加わった演劇コンテンツです。確かに「向き」ではありますね。分かりやすくオンラインでも視聴者が参加ができるコンテンツなので。
さて、なんか蘊蓄たれましたが、モノステを見たときの感想は「これコロナ終わった後でもやられそうだな」でした。いや、これは割と素直に思いました。
あと、もう一工夫必要とも思いました。
モノステの感想とオンライン演劇について考える
地方の人が東京の演劇を観れる
モノステを見て「おぉー」と思ったのが、大阪にいる人が観ていたことです。
まぁオンラインなので当然ちゃ当然なんですが、東京で舞台演劇やってると地方から見に来てくれるなんてことは本当に希少というか、滅多にないことです。それが割と手軽に見れるというのは、地方の人からすれば結構好まれるんじゃないかなあと。
関東で暮らしているとわからないですが、「オンラインでいいから見たい!」という声は意外と地方からあがってるかもしれませんね。
とはいえ、全部が全部好意的に受け入れられる、というわけではありませんでした。
オンラインでオフラインと同じように演劇をやる
私の周囲でオンライン演劇がやられるようになって、私がまず思ってしまったことは、
「オフラインでやるべきものを無理矢理オンラインでやっているだけなのは嫌だな」
ということでした。
多分、同じことを考えた役者・演劇関係者は少なくないかなと思います。
お芝居を伝える「メディア(媒体)」というのは、芝居に携わる人であれば当然考えるべき事柄です。
オンラインで舞台をやる、というのは何のメディアに該当されるのでしょうか。私はどうしても、「映像作品」の枠から出ないように思えます。
視聴する側はディスプレイとスピーカーから芝居が届けられるますからね。
これについてどのようにとらえているかで、オンライン演劇の在り方みたいなのはかなり変わってくると思います。
事実、「モノステ」を見てて、Zoomでカメラの前でただやるだけだと、見る側が味わいたい「非日常感」みたいなのをあんまり味わえないなぁと思ってしまったことが割とありました。
ただZoomで人がしゃべっているだけ、と思ってしまった瞬間を何度も味わってしまいました。
その中でも、例えば敢えてカメラ目線じゃなくしたり、背景を変えて場所を演出したり、というような映像的に工夫を凝らした作品は興味をひきつけられました。
これは多分、「モノステ」以外にもオンライン演劇コンテンツ全般に通じる話ではないかなと思います。
個人的にですが、Zoomで無理矢理オフラインの舞台と同じことをやるってのは流行らないんじゃないかなぁと思ってます。
だって、コロナが収束してオフラインのイベントがやられるようになったら、無くなるでしょ、それ。「やった、オフラインでできる~」ってなって辞めちゃう、なんてことが余裕で起こりえます。
そもそも、日本という国はオンラインという文化を軽視してきました。
※これについては前回の記事で触れてます
オフライン>オンラインという図式が成立しています。
多分今でも、「オフラインでやれるんだったらやってるよ!」と思っている人が大半、いや8割でしょう。
オフラインが封じられてオンラインしか手札がない今だからこそ、収束した後にもやる価値があるオンライン演劇を作る。
ほぼ不可能レベルなことですけども、個人的には目指してほしいなぁと思います。
それに近いことができたら、強いですからね。
現段階ではどうしても「実験」
と、偉そうに言いましたが、どうしても現段階では実験的な要素が拭えません。これは仕方がないことです。
それに、別に「モノステ」を否定する気も微塵もありません。
むしろ凄いなと思ってます。この状況下で本格的にオンライン演劇公演をするってのは、かなりハードルが高い試みであるのは間違いないですから。
大事なのは「やる」ことです。
やってみないと結果が出ないし、わからないですからね。
彼らのような勇気ある挑戦が未来を切り開いていくんだと思ってます。
事実、この試みに興味を持ったのか、第一回モノステでは計60名の観客が集まりました。
今後に期待しています。
オンライン演劇をやるにあたっての個人的な希望
というわけで、個人的にオンライン演劇で工夫してほしいところを上げようかなと思います。
機器は出来うる限りで上質なものを選ぶ
見た中で、オンライン機器の性能が低くて、出力された映像がイマイチというのは勿体ないと思ってしまいます。
- なんか音質が良くないな
- なんか映像がカクカクしてるな
とかですね。
特にマイクはなるべく質がいいものを使ってほしいです。画質より音質が気になりました。
あと回線もとぎれとぎれになるような細いものではなく、きちんとした回線でやってほしいです(これはやる側と見る側の両者に関係しますが)。
因みにZoomが今日本中ではやっている関係で、Webカメラなどのオンライン機器の値段が高騰しています。
なので手に入れるのはちょっと難しいかもしれませんが、できれば気にかけてほしいです。
映像としてどう見えるか・聞こえるかを確認する
前述しましたが、見る側としては「映像作品」としてみるのではなかろうかというのが私の意見です。
なので、映像としてどのようにディスプレイに出力されるのか、少し気にかけた方がいいかもしれません。
顔が暗かったら関節照明などで明りを増やしたりしてみてはいかがでしょうか。
またZoomでは仮想背景を設定することができます。
画像データを背景として作品を作ることができます。
グレートキャニオンの画像を背景にすれば、見る側はアメリカにいる人を見ている気分になります。
もっと言うと、画像にいる人に話しかけるなんて演出も面白いかなと。
もっと極端な話、自分を映さない演出もありかなと思います。
あと、必ずしもカメラ目線である必要はありません。
もしかしたら横を向いた方がいいかもしれません。
映像だからこそ膨らませられる想像の仕方というのはあります。考えてみてはどうでしょうか。
フロンティア開拓精神
そんなわけで、個人的にはかなり「モノステ」、「オンライン演劇」を応援してます。
オンラインならではの工夫はすぐには出てこないでしょうが、やっていれば自ずと思いつくもんだと思っとります。
因みに私も明後日、日曜昼にオンラインのインプロ(即興演劇)公演に出演します。さてはて、どうなることやら!
できることはまだある!
フロンティアを開拓していくチャレンジスピリッツで乗り越えていきましょう!
それでは。