演劇

【光と熙】坂山熙(さかやまひかる)といふ男をなぜ誘ったか

  • LINEで送る
     

8日の土曜日、「光と熙 vol.1」で共演する坂山煕(さかやまひかる)と共に稽古をしました。
この「光と熙」の稽古自体はこれで2度目ですが、今まで坂山と稽古した回数はそれほど星の数ほどです。「今まで食ったパンの枚数」的なあれです。

僕と坂山は大学1年の頃からの付き合いです。学習院大学の同期で、演劇部に所属していました。
お互い今年度で26歳なので、付き合い的には7年以上経過しています。

2人とも劇団しおむすびの立ち上げに関わり、そのまま入団しました。最初こそはめちゃくちゃ仲が悪かったのですが、いつの間にか紆余曲折をともに乗り越える戦友となってました。
名前も、僕が光(ひかり)で坂山が熙(ひかる)なので、僕が「りん」と言われるようになり、坂山が「るん」と言われるようになりました(ぶっちゃけ最初は蔑称に近かったですw)。名前が似てるので、コンビ扱いされることも少なくなかったです。因みに、今でもこのあだ名で2人とも呼ばれています。出自はどうあれ、意外と我々は気に入ってるんですな。

坂山を誘った理由

この「光と熙」をやろうと思ったきっかけは、僕が「継続的にやる演劇企画を作りたい」と思い立ったことです。継続的にやるとなった時、どうしようかと色々考えました。

まず考えたのは、「一人でやる」か「誰かとやる」かの二択です。これはすぐに「誰かとやる」に決めました。一人でやったことはありますが、やり続けるにはいささかしんどいので。継続的にやり続けるってかなりしんどいんですよ…!

では誰とやるか。実はこれもすぐに決まりました。それが坂山熙でした。

お芝居の考えが近くて、
人間性も知っていて、
連絡も密に取れて、etc….。

様々な面で信頼出来る役者で坂山が真っ先に該当しました。彼がアメリカ帰りの演技指導者で3年ほど絞られていたという経験も相まって、実力に関しては信頼ができ、付き合いも長いので結びつきも太い人物でした。

客演で呼ぼうとする役者は本当にいっぱい該当するんですが、継続的にやれるのは彼しかいないと判断しました。

坂山熙という男

坂山は大学から演劇を始めた男です。因みに中高は男子校で過ごしていました。彼の男子校エピソードはかなり面白いものが多いですww。
「男子校のバレンタインデーとかってどうしてるの?」
とか質問をぶつけてあげると喜びますよ(笑)。

大学一年の時、僕と坂山は演劇部で出会いました。
大学一年の僕は、高校生の時高校演劇でそこそこのところまでいったという実績から鼻を高々させてふんずり返っていたいた時代です。…今とあんまり変わらないか!(笑)

最初の演劇部の坂山に対する評価は、最悪でした。いや、まじで。
彼もやんちゃをしていたので、悪く目立っちゃっていたのです。
因みに坂山曰く、「自分がみんなから嫌われていると気づいたときは全身に寒気が襲った」らしいです。

同年7月にスタートしたのが、のちの日本初の即興演劇団体「劇団しおむすび」、その旗揚げ公演の稽古です。
因みに、しおむすびはもともと、学習院大学演劇部を母体とした演劇団体でした。色々あって外部団体として設立しました。その立ち上げ公演で手を挙げた人間に僕と坂山はいました。

稽古中で喧嘩が起きそうなときもありました、ええ。ほんと、昔は仲が悪かったんですよ…!(笑)

とはいえ誤解してほしくないのが、決して悪い奴じゃないんです。もともとは懐の大きい、気持ちのいい男なのです。
大学デビューしたいからいろいろとはじけてたら嫌われちゃったという、可愛そうなパターンなのです。

それに皆が気づき始めたのが夏から秋にかけてぐらいの時期です。しおむすびの稽古と演劇部の活動を精力的に頑張っていたので、徐々にみんなの評価が変わっていきました。だんだんと頼られるようになっていきました。持ち前の懐の大きさを発揮してみんなの人気者に返り咲いたのです。すごいですよ、匠の技で劇的ビフォーアフターです(因みに、「匠」はしおむすびの主宰をやってる忍翔というあんちくしょうです)。

そして、翌年の11月にはなんと、演劇部の部長に就任しました。
なんか、こう書くと、なんかかっこいいやつみたいですね(笑)
ジャンプの主人公みたいだ(笑)

そして、卒業した後も就職することなく、お芝居の道を歩き出しました。
卒業後も就職せずにお芝居を続けるとなった大学演劇部の同期は、彼ともう3人ほどいました(因みに同期は20人以上いました)。
ですが、うち一人は芝居を辞めて地方へ帰りました。もう二人は演劇のスタッフに従事しているので、役者として続けているのは僕と坂山しかいません。

坂山に嫉妬した日

坂山は卒業する前に、アメリカ帰りの演技指導者に師事し、本格的に演技の勉強を始めました。
一方そのころ、僕は大学卒業後も劇団しおむすびに残ることが決定していました。

大学卒業後、坂山はバイトをしながら勉強を開始し、僕は劇団しおむすびの運営の仕事にも従事するようになりました。
ですが、僕ももともとは演技をしたい人間なのです。僕はスタッフの仕事に従事しながら、本格的なことを勉強している坂山をうらやましく見ていました(まあ僕も舞台に出てはいましたがね)。

去年、坂山が二人芝居に出演したのを見ましたが、物凄く成長していました。正直悔しかったです。嫉妬しました。
ひたむきに頑張ることができた坂山煕という男の、意地がそこにありました。

一方そのころの私はちょっといろいろあり、役者としてやり続けるために必要な健康的な精神状態と金がなかった時期なので、スタッフとしてかかわっていました。「なんで俺スタッフなんだろうか」と自問自答していました。

その後、坂山はその腕を買われ、新興のインプロ団体「Second Circle」に参加し、その磨いた腕をいかんなく発揮するようになります。
一方そのころ、僕は入社したベンチャー企業でしおむすびの運営で培った手腕をいかんなく発揮し、会社に貢献するようになります。

なんかこうして書いてみると、対照的に見えますね。

でも、もともと僕は人前に出て演技がしたい人間です。そういう意味では、僕と坂山は同類です。

同類が久々に舞台で交わるんです。こりゃあ、気合を入れなくてはですね。

「光と熙」、ぜひご覧ください。

  • LINEで送る

即興演劇公演「光と熙 vol.1」

役者を志してきた吉田光(よしだひかり)と坂山煕(さかやまひかる)の新たな挑戦が今始まる。
吉田は10年、坂山は7年、お芝居に挑み続けた。
「2人で共に、この社会を乗り切ろう」
その決意をもとに創られた新企画、その名も「光と熙」。

今までの経験、これからの度胸を総結集させて、バカたちはバカなりに、舞台に挑む。

Vol.1は即興演劇公演です。
台本は存在しません。あるのは役者と舞台とスタッフと、お客様のみです。共にお芝居を創り上げていきましょう。

詳しくはこちら!