演劇

シアタースコラ日誌ーその3ー(ニュートラルマスク)

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どうも、りんです。
間があきましたが、シアタースコラ日誌の3つ目です。

3回目、そして4回目ではニュートラルマスクを扱いました。

ニュートラルマスクとはこれです。

どう使うか。
被ります。被って動くだけです。

それだけ?
とお思いかもしれませんが、それだけです。被って動くだけです。

ちなみに、個人的にはマスクという文化はどっちかっていうとアメリカよりもヨーロッパのイメージが強いです。

スコラの会場であるi Rego Garageでは様々なマスクがあります。
ここまで揃えてるの、日本で他にも数えるほどしかないんじゃないかな?

少し豆知識ですが、顔の上半分しかないマスクは着けてもしゃべれます。しゃべるために口の部分がないのです。
逆に口まであるマスクは着けてもしゃべれません。つまりニュートラルマスクをつけている間はしゃべれません

そして何より、ニュートラルマスクは他のマスクとは違う、唯一性があります。
それは、ニュートラルマスクはこの中で唯一の訓練用のマスクであること。

他のマスクはパフォーマンスで用いられるものですが、このニュートラルマスクは俳優の訓練のために作られた代物です。

考案したのはフランスの現代演劇の開拓者、ジャック・コポー。あの岸田國士が留学した際に師事した演出家です。めっちゃざっくりとしたニュートラルマスクの誕生秘話がこちら。

ジャック「最近の俳優はうまくやろうとしすぎて、しかめっ面してるやつらばっかだ!どしたもんか!」
奥さん「そんなにしかめっ面が嫌なら、その俳優に枕押し付けて、洗濯してしまえばいいじゃない」
ジャック「…もう一回言って?」

というジャックの奥さんの何気ない一言で爆誕したのがこのニュートラルマスクです(だいぶざっくりと、簡略してます)。ちなみに奥さんもこんな言葉が出るお方だったそうな。

俳優に枕、マスクを押し付けて、純粋さを取り戻すために作られたのがこのニュートラルマスク。
ちなみに完成した時、ジャックは「ハレルヤ!」と歓喜したそうな。

被るとどうなるの?

説明できん!

これを被った時の感覚を言葉で説明しても、なんだろう、陳腐になる。いつかVlogやろうかなと思ったぐらいには説明が難しいんです。

あえて言うのであれば、
マスク被ってる時って、なんとなくなんですが自分じゃない気がする。それがなんだか安心するんです。

そして喋れないからこそ体を使う。これがニュートラルマスクの基本であり真骨頂です。

マスクを被っている時にやっているムーブメントの一例をあげましょう。

真夜中の海岸で寝ていると、日が出てくる。それと同時に目が覚める。太陽が登ってくると同時に自分の体も起き上がり、立ち上がっていく

なので動きとしては、寝転がってるところから起き上がるだけです。

それだけなんですよ?
それだけなのにものすごい学びがある

あるひとは「海岸じゃなくて自宅で寝てるように見えた」
あるひとは「太陽を見ながら立つのではなくて、恐ろしいものから逃げるように立ち上がったように見えた」
あるひとは「海岸で寝てるように見えたあとに、神が現れた」

と言うふうに、どういう風に見えたのかが全く違う。
そしてそれは明確な理由がある。目の開き方、体の緊張具合。全てに影響されます。

上記のようなディティールにしなければならない、というわけではなく、上記を目指しつつ何が必要なのかを模索していく。それがニュートラルマスクを扱ったワークです。

こんなのちゃんと教えてくれる人全然いません。
超楽しいです。

というわけで今日はこんな感じで。
またお会いしましょう。

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