演劇

シアタースコラ日誌 -その9(アレクサンダーテクニーク)-

     

どうも、りんこと吉田光です。

今回はアレクサンダーテクニークについて。

因みにこれはシアタースコラの中でも少し特殊です。
ん?特殊なもの多くない?いやぁ落ち着いて。

何が特殊っていうと、これは講師がたつやさんではなくて別の方だということです。

アレクサンダーテクニークの講師

アレクサンダーテクニーククラスの講師は、細井史江さんをお招きしました。
というのも、アレクサンダーテクニークというのはそう簡単に教えられないのです

アレクサンダーテクニークは教師の資格があります。アシスタントに入っていただいた松本マキさんはアレクサンダーテクニークスタジオ東京の教師養成講座を卒業しています。養成講座があるぐらいには確立しています。

え?胡散臭い?
まぁ教師養成というと変なバイアスはかかりますよね。

とはいえ、アレクサンダーテクニークに関してはマジで、聞き齧った知識程度でやれる範疇を大きく超えています。体の深い知識が必要になるので、講師と名乗るためにはハードルが高いです。まぁちゃんと名乗っている人は基本的にちゃんとしている人たちなので、ご安心を。

アレクサンダーさんの受難

そも、アレクサンダーテクニークとは何か。
読んで字の如く、アレクサンダーさんが自分の体験を基に積み上げた、体の使い方の基礎となる考え方のことです。

というわけで昔話風に、アレクサンダーテクニークの起源をお話ししましょう。

むかーしむかし、英国にアレクサンダーさんという人がいました。
アレクサンダーさんは俳優でした。元気に胸を張り上げて、大きな声でお芝居します。

ある日、アレクサンダーさんがいつものように声を出そうとしました。
ですが、あれ?
声が出ない。

どうしてだろうと悩んでいたアレクサンダーさんは、ふと鏡で声を出す自分の体を見てみました。
するとどうでしょう、胸を張り上げ、首と背中を大きく反って、大きな声を出していたのです。

「この姿勢は良くないなぁ」

そう思ったアレクサンダーさんは、鏡を見ながら色々な姿勢を試してみました。
すると、背中と首を大きくして、頭がきちんと背骨に乗っている状態だと、声が楽に出せることがわかりました。

アレクサンダーさんはそれから、その姿勢で声を出すように頑張りました。

そして、またセリフを喋ってみようと思い声を出そうとすると、また声が出ません。
「なんでだろう」と思い鏡を見てみると、以前と同じく背中と首を緊張で縮めて、背中が反っていたのです。

アレクサンダーさんは愕然としました。
なぜならちゃんと訓練した上で、今までの自分とは違う体だと信じて、声を出した結果なのです。
結局いつの間にか元の体に戻っていたのです。

「自分の感覚なんてアテにならないもんだな」

そう思ったアレクサンダーさんは、もう一度徹底的に、声を出そうとする時に自分の体のどこに緊張が走るのか、どこに力を入れているのかを徹底的に模索しました。

その過程がいつの間にか、アレクサンダーテクニークと呼ばれるようになりました、とさ。

キングオージャーのジェラミーっぽい締め方ですね。

もしかしたら細部は違うかもしれませんが、まぁ大体こんな感じ、だったはず。

アレクサンダーテクニークとは自分の体を整えるための考え方と体の技法です。
英国王立演劇学校などでも取り入られており、様々なヴォイスワークにもこの考え方が取り入られています。私もかつてリンクレイターヴォイスワークを勉強していましたが、たびたびアレクサンダーの名前は出ていました。

因みにシンガーでもこのアレクサンダーを取り入れたりしています。

感覚でやらない

クラスの序盤に、細井さんがこのお話をされました。毎回されているそうです。
というのも、これが「アレクサンダーテクニークの入り口です」と紹介していました。

ここで大事なキーワードなのが、わざわざ太字にしていますね。

自分の感覚なんてアテにならない

ということです。

これ俳優をやっている人なら必ず経験していることがあると思うんですけども、自分ではこうしているつもりなのに体はそうなっていない。山ほどありますよね。人から言われて「え、違うの?」となる経験なんて腐るほどあるし、なんなら多くの俳優が直視したくない現実でもあります。

そうなんです、自分の感覚でうまくいくことも当然ありますけど、「そうなっているはずだ!」と感覚を信じてやってそれが実現できていなかったら、それはもう自分の感覚が間違いっているのです

この考え方は、私の普段の訓練の中でものすごく役立っています。
「あれ、今の動き違うな」
「なんかうまく行ってるっぽいけど、もう一回やってみよう。もっと効率的にやれるかもしれん」
というように、それ以降のクラスの考え方が変わりました。一旦待ってみよう、というか、自分を顧みるようになったというか。動きの中で「もっとできんか?」ということ風に、自分を疑ってみることを覚えたのです。

なんて晴れやかなんだ

あ、勿論アレクサンダーで体の再発見はできました。それはもう、「おはようございます」って感じで。

これが俺のNewボディーだ!
馴染むッ!やはりアレクサンダーは良く馴染むッ!

というような、晴れやかな気分でした。
ただ、どんなワークをしたかってのは説明ができん。受けてくれとしか言えません。それほどに専門性があるので。

「受けてみたい!」というそんなあなた!
細井さんのアレクサンダーテクニークのワークショップが今年の8月に行われます!!
そこらへんのワークショップより料金は高いですが、値段相応の価値はあるかなと思います。

姿勢や声について課題がある方にはかなり良いです。
興味があったら受けてみてくださいな!
詳細↓

速報! 23年 第7回表現とアレクサンダーテクニーク 〜大きな物語の中の私〜