演劇

りんちゃんはインプロは「極めたい」よりも「楽しみたい」

     

どうも、りんこと吉田光です。

今月27日、そして3月20日に、インプロ(即興演劇)のショーに出演します。
いやぁ久々ですねぇ。

私は2011年からインプロをやってきているので、今年で9年目になります。経ったなぁ(笑)

それでは、りんちゃんの2020年2月現在の、インプロのスタンスを綴ろうと思います。
ん?なんでこんな書き方にしているのかって?変わるかもしれないじゃない(笑)

因みにインプロとは、即興演劇のことを指します。
お客さんからお題をいただいて短いシーンを創ったりします。

実はここに、私と劇団しおむすびのゆうきと二人でやったインプロの動画がありましてね。見たらイメージつかめるかもしれません。

インプロをやり始めたきっかけ

私は高校演劇を経験しています。

高校演劇をやった人は大体やったことがあるであろう練習が「エチュード」です。
これは事前に設定を作って、即興でシーンを創るというもの。

「え?それインプロじゃね?」ってお思いかもしれません。

違うんだよ

全然違う。それははっきりと言えます。何が違うのかは…こう、はっきりしないんですけども。

私は高校時代、このエチュードという練習が嫌いでしょうがなかったです
私が嫌いというか、まず私以外の部員が即興で演劇をするということに意味を見出せなかったので、基本的にやる気がない。
あと、エチュードの正解がわからないから、とりあえずウケたもん勝ちなんですよ。
そんなにウケ取るのが得意じゃない私からすれば、とにかく滑りまくって「なんだこれ」ってなるパターンが常でした。

より正確に言うとエチュードをやっている空気が嫌いでした。
てかもう、何のためにやってるん?って感じ。誰かちゃんとその意味を教えてよ、って。

ただ勘違いしないでほしいのが、即興でお芝居を作ることは可能であるということは、私の中で確信に近いものがありました。
「恐らく、優秀な役者はこれができるはずだ」という何となくの感覚があったのです。

なのでその確信からほど遠いこの「エチュード」という練習が腹が立ってしょうがなかったのです。
「即興で演劇やる絶対こんなはずがねぇわ」って思いながら生活してました。

インプロと出会って「これだっ!」ってなった

そんな私が大学生の時に、劇団しおむすびの立ち上げにかかわりました。
初めてインプロに触れたのです。それが2011年の夏。忘れもしない夏ですね。本当に濃い夏だった。

インプロはまず大前提として「失敗してもいいから大胆にチャレンジをする!」「相手のアイディアにYESする(通称「Yes,And」)」という理念があります。
これが「エチュード」と決定的に違うところです。

受けを取るとかじゃなくて、とにかく失敗してもいいから大胆にチャレンジする。
インプロにおいて失敗は称賛されるもの

この理念がある無しで、本当に楽しさが変わるのです。
そして、この理念の先には、自分のままで演じられるという境地があるんじゃないのか?
みたいなことを想起されるようになってきました。

というわけで、これからインプロの可能性というものが輝いて見えていたのがこの時期です。


まぁ私以上に燃えている大学の先輩の忍翔という存在がいたので、その人にくっついていったら理想の果てが見えるかなと思い、劇団しおむすびにそのまま所属する、といった流れがあります。

因みに忍翔は現在、インプロ教えて生計を立てています。すげぇなぁ。

インプロしていくことの違和感

インプロに燃えていたら、いつの間にか大学を卒業してフリーターとなっていました。
劇団しおむすびもいつの間にかNo.2みたいなポジションになり、団体運営ということも考えるようになりました。

まず何より、目先の問題として、とにかく集客なのです。
ですが、とにかくインプロをしていない人からすると、即興で演劇をするということにイメージが全くわかないというのですよ
あ、インプロしているそこのあなた。
話してみてごらんなさい、「何それ、どういうこと?」ってなりますよ。
そしていくら言葉で説明しても、大体の人がポカーンとしています。

人ってね、イメージがわかないものにはなかなか足を運ばないのです。
インプロで集客をするっていうのは本当に難しい。

なのでこの時期の私は、インプロというのがもっと日本に浸透すればいいのにと思っていました
全ては劇団しおむすびの集客が増えるためです。

てことを考えていくと…うーん(笑)
前みたいに、インプロを突き詰めてやっていくことに対して楽しみを見出せなくなっていました。
それは、私のお芝居的な壁であったり、人間性の壁であったり、将来の不安が凄くてもう、とにかくどん詰まりだったんですよ

そんな中、脚本ありのお芝居もやっていたんですが、それは楽しくやれていたし、なんかやりがいがあったのです。

そこから、「あれ、インプロって楽しいのか?」と思うようになったのです。

インプロを人前でやるっていうのは、普通のお芝居とは全く違う筋肉を使います。
「舞台でキャラクターという皮をかぶらずに人前に立つ」というスキルも必要になります。
なんというか、コントショーをするような感じなんですよ。

インプロをすることで演技力ということも考えていた私は、やっていくうちに「なんか、違うんじゃないかな…」と思うようになったのです。

そんな中、まぁ、借金背負ったんですわ(笑)
というわけで今までの生活ではいられなくなっていまったので、今一度自分を見つめなおすためにインプロから思いっきり離れることにしました。

インプロを客観視できた

インプロを離れ、劇団しおむすびからも距離を置き、「演技」というものを本格的に鍛えられる演技スタジオに、新たに通うようになりました。
それはそれで大変だったのですが、また機会に。

そうすると、今までやってきた自分だったり、自分がどっぷりつかっていた「劇団しおむすび」「関東のインプロ業界」というものをすごく客観視できるようになったのです。時間が無くて、自分の棚卸というのができなかったのですよ。

これが本当に大きかったです。
この経験はHSPの活動にも生きています。

それで客観視した結果が何かというと、

俺はインプロを極めることをしたいわけではない

ということでした。

そもそもインプロをやり始めた時期も、インプロをしていけば演技力が上がるという、訓練的な意味合いが強かったのですよ。
インプロが広まってほしいという思いは、ぶっちゃけ集客のためが一番強かったですし。

インプロ業界にいる人たちに比べると、インプロ自体に燃やす情熱の方向性と大きさが、どうも自分と合わない、なんてことに気が付きました。

それに気が付いた私は、これからは自分の道を歩くという決心をして劇団しおむすびを退団。
そこから色々あってこのThe All Mighnorityを発足するという流れになります。

まぁそのあとインプロの活動もしていなかったわけではありません。
光と熙というユニットを結成したのも、やっぱりインプロをしていきたいなぁという思いがあったからです。
そこで一番インプロの考えが近いであろう男・坂山熙(さかやまひかる)と組んだのです。

え?今?まぁホラ、坂山、忙しいから…今は小康状態です…。

吉田のインプロに対するスタンス

というわけで色々と書きましたが、私がインプロに対して抱いている思いというのは、

  • やって楽しい
  • この考えが広まることは社会にとって有益である

ということです。
ということですが、積極的にインプロという概念を広めようと思うことはありません

はっきり言うと、インプロが広まろうがなんだろうが私には関係ないと思っています。
私はインプロが楽しいことを知っているし、様々なことが学べることも知っています。
だけど、それを広めることに情熱を燃やすってのはしませんね(笑)

ここら辺がインプロ業界の人と一線を画すところかなぁと思っています。

ただ勘違いしてはならないのは、「広まったらいいなぁ」ぐらいには考えてますよ(笑)
インプロの理念自体はとても貴いものだと思うし、今の日本に必要な考えだと信じています。
でもそれを積極的に広めようとは思いません。ほかにやりたいことあるし(笑)

あともう一つ勘違いしてはならないのは、

インプロショーに出たくないわけではありませんよ?

誘われれば出たいなと思いますし。
実際オファーされたら基本的に前向きに検討はします。
即興夜会しおむすび内乱も出ますしね。

あと、インプロ自体にやる気がないわけではありませんよ。
情熱は伊達に燃やしてきていませんし、稽古自体には真剣に「楽しく遊ぶ」ことをやっ
てます。
人前に出るとなったら、今までに培った経験と私の能力を存分に生かし、お客さんにエンタメを提供することに対して妥協はしません。
それは私の信条として君臨しています。

やる気がないわけではありません。
そんなに積極的にインプロをしませんよってだけで、単純にスタンスが違うだけです。

個人的にはインプロを「極める」ことをするよりも、「楽しむ」ことをしないなぁと思っています。
そんぐらいの付き合い方がちょうどいいなと、9年目になって思えるようになりました。

結局長くなっちまったなぁ(笑)
いやーなんかすっきりした(笑)
インプロ系のイベントで私を見かけたら読んでほしいなぁこれ(笑)

それでは!